先日、

『硬いものをガツガツ食べていた昔の犬は
歯石がたまったり歯周病になることはなかったのに、
現代では歯周病になる犬が増えた。
これはひとえに飼い主が甘やかして柔らかい食べ物を与えるからだ。
フードをふやかしたり、
柔らかい手作り食など与えるのは犬のためにならないので、
硬いままのドッグフードを与えましょう』

という記事をネットで見かけました。
犬の歯は柔らかいものを食べると歯石がつき、
硬いものだけならつかないのでしょうか。
水分をたっぷり含んだ比較的柔らかい手作り食は犬の歯にとって良くないものなのでしょうか?

確かにペット市場では歯磨きガムなど、硬いものをかじらせることで
歯のケアをさせようとする商品がたくさん販売されています。
「硬いもの=歯に良い」
というイメージをなんとなく抱いてしまう人がいるのは無理もないことかもしれません。

また人間の世界では、
食事の内容が昔に比べて圧倒的に柔らかくなってきたことで
若い世代で歯の本数が減ってきているというデータがあります。

このような情報が「柔らかいもの=歯に悪い」という
イメージにもつながっているのかもしれません。
しかし、実際に歯石がつくかどうかは
食べ物の柔らかさ・硬さで決まるわけではないと私は考えます。

そもそも現在最もメジャーな犬の食事は
上述の記事が推奨する『硬いままのドッグフード』であり、
手作り食を与えられている犬の比率はまだ限られています。
明らかに、歯石や歯周病の問題を抱える犬の割合は
手作り食を食べている犬より多いのです。

もしドライフードや歯磨きガムをかじることで歯のケアができるのであれば、
人間はなぜ歯を磨くのでしょうか。
人間は堅焼きせんべいをかじった日も歯を磨いているはずです。
同様に犬も、たとえ硬いものを食べていてもケアは必要なのです。

以上みてきたように、
犬の歯石や歯周病は柔らかい食事によって起こされるものではありませんので、
歯石のことを心配して手作り食を敬遠する必要は一切ないと私は考えます。